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設立趣旨

 ある日突然やってくる些細な兆し、ほんのちっぽけなどうということのない忘れ物。それは傘かもしれないし、ハンカチかもしれません。そのとき、ほとんどの方がその忘れ物が認知症の兆しだと想像すらしないでしょう。そして年月の経過と共に、その症状は明らかに表面化してきます。今までと同一人物と思えないような表情と共に発せられる暴言や言葉遣い。それはまた暴力という形で表面化するかもしれません。

 そのときにきっと思うでしょう。まさか自分の家族がこんなことになるとは。。。

 そして本人もこう思うのです。この先自分はいったいどうなってしまうのだろう。その恐怖と焦りから、ますます精神的に追い詰められ不安定になり、病気の進行と共に家族を巻き込んだ悪循環が始まります。

 病名は認知症。その検査と診断を受けるまで、家族は大きく戸惑いながら周辺症状といわれる徘徊や異常食欲、妄想、排泄の失敗などに翻弄されることになるのです。なぜ?という気持ちと、言うことに耳を貸さない状況に怒りがこみ上げることもしばしばあるでしょう。なんといっても家族ですから。。。


 現代の日本は核家族化が進み、子供たちが巣立った後の老夫婦で暮らし、子供たちも近くはないところで家庭を築いているという状況が多いのです。それゆえ、残された老夫婦である老人が老人を介護するという状況となります。これが老老介護といわれる問題です。

 認知症という病気は、幻聴や徘徊などの周辺症状が現れたり現れなかったりを繰り返しながら、病気本来の症状である中核症状といわれる脳の萎縮が進行します。この中核症状が進むことで、記憶が欠落していきながら、理路整然とした行動や判断ができなくなるなど、できることが少しずつ減りできないことが少しずつ増えていきます。

 認知症介護の基本は本人への共感と見守りです。そしてその期間は非常に長期間となります。見守るということは目が離せないということです。はたして24時間を10年間、どのような方法で、どのような体制を作って大切な家族を守っていきますか?しかもたった一人で?

 そのような状況下で介護者(介護する人)は、誰に相談するでもなくたった一人で悩み、すべてを抱え込んで途方に暮れ、精神的にも身体的にも疲弊していってしまうのです。ひょっとすると、お子さんに対してちょっと言葉にして言ったこともあるかもしれません。ですが同じ屋根の下に一緒に住んでいないので、その本人の変化を伝えきることもできず理解もしてもらえません。はたしてその先にあるものは。。。


 介護保険が誕生して十数年、健康な方にはまったく縁もない制度です。健康保険はほとんどの方がその基本的な使い方はご存知だと思います。ですが、介護保険をどう使えばいいのか、どうなったら使うことができるのか。ということはあまり知識がない方が多数を占めるのではないでしょうか?

 いざ使いたいと思ったときの介護施設は、終の棲家にするどころか不足していて何十人、何百人という順番待ちとなってしまうこともあります。そして介護保険は、介護が必要な病気になった本人だけに適用されます。介護者のための制度も、助成も存在していないといっても過言ではありません。


 以上の状況は決して他人事ではなく、よくある話です。やむなく介護施設に預けることができない状況もありますが、国の制度や高齢化の状況を踏まえていくと、在宅で認知症介護をしなければならないご家庭がもっと増えていくという予測は難くありません。

 ですが、認知症の在宅介護は決して不可能なものではありません。病気に対する理解と対応方法のコツ、住まいや家族を含めた色々な環境を整えることで、病気になってしまった本人も、介護するご家族も、犠牲を最小限にしながら穏やかに愛着あるご自宅で暮らしていくことも可能なのです。


 認知症在宅介護支援協会は、認知症在宅介護経験者や成年後見制度などに精通した行政書士、事業経営者などのプロフェッショナルを中心に、様々な経験者が参加しています。そこには事業としての観点がなければ継続することが難しくなり、継続し続けることこそが貢献することであるという理念があります。そしてどこに行ったらいいかわからない、どうすればいいのかわからないというわからない事だらけの認知症という病気と闘う方々のための認知症相談センターとして地域に根付き、少しでも多くの認知症在宅介護の手助けとなるべく2011年12月に母体となる任意団体として創立され、2012年8月に一般社団法人化した支援団体です。



活動方針

 当協会は 『認知症になってしまったご本人と、介護をしているご家族が住み慣れた地域とご自宅で、少しでも穏やかに暮らし続けていくには』 をテーマに、強いて言うならば介護をしているご家族にこそ重点的にスポットライトをあて、地元である地域の連携知識と情報の発信、似た境遇で病気と闘う仲間である介護者同士の交流を中心とした3つの柱でお手伝いしていくことを最重要テーマと位置づけて活動をしてまいります。

 そして目指すものは、認知症のご家族をご自宅で在宅介護している方々の、鶴見区梶山地区にある頼れる認知症相談・交流センターとなれるよう運営してまいります。